蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「昔一緒に食べたな。ビーフシチュー」
「覚えていたんですか?」
「ああ」
蓮人兄さまが覚えていてくれたことが嬉しくて、お酒の勢いも手伝い私はついおしゃべりになってしまう。
「いつもおいしいものを召し上がっていると思うし、煮混む時間も短めなのでお口に合うかわかりませんが」
早口に言った私に、蓮人兄さまの綺麗な唇が弧を描く。
「うまいよ」
久し振りに笑ってくれただけでも嬉しくてしかたがないのに、さらにおいしいと言ってもらえた。
「よかった」
ホッと胸をなでおろしつつ、私も食事を口に運ぶ。いつも家で作っているものと同じなのに、何倍も美味しく感じた。