蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

「あっ、これ美味しい」
爽やかなフルーティな香りと、すっきりとした辛さがとてもおいしい。
きっといいものだろう。
「そうか、よかった。家でも飲むのか? 家元はあまり召し上がらないよな」
思い出すように蓮人兄さまは言うと、ワイングラスを口に運ぶ。

「家では……飲みません」
あの家では私はいい子でいなければいけなかった。お酒を飲むとしてもお正月のお屠蘇ぐらいだ。

もっぱら飲んできたのは、大学時代の親友の美沙子とぐらいだ。
急にテンションが下がった私のことがわかったのか、蓮人兄さまは小さく息を吐いた。

「申し訳ありません! 蓮人兄さま。こんなお話を……」
いくら酔っていたからと言って、こんな私をみせるべきではなかった。
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