蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
はじめての夜は涙と
「鏡花、大丈夫か?」
お酒のペースが速かった私を、心配そうに蓮人兄さまが見つめる。
「また子供あつかいですか?」
冷静な判断ができない上に、お酒でいつものガードが緩んでいた私はポンポンと蓮人兄さまに言葉を投げつける。
「そうですよね。いつも蓮人兄さまの周りには綺麗で大人の女性がいますよね。この間いらっしゃた秘書のかたも美しい方でしたよね。もう手は出されたんですか?」
「鏡花!」
なんてはしたないことを言ってしまったのだろう。そうは思うも私のあふれ出した感情はもう止まらなかった。
「だって聞いていますよ。結婚に興味がなく、遊びだったら来るもの拒まないって。それでも私には手を出そうなんて思ったことなんてないですよね」
そう、私が蓮人兄さまに気持ちがあると知らない真翔君たちは、いつも蓮人兄さまの噂を教えてくれていた。
今日はあのミスどこどこが相手だったとか、どこかの女社長だとか。
聞きたくなくても耳に入ってしまう噂話は、いつも私を痛めつけていた。