蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

そう思うと、私は蓮人兄さまに、八つ当たりのように言葉を続ける。
「何もわかるわけありません。誰でもいいなら私だっていいじゃないですか。私は何もしらないまま一生を終えるなんて。それならば蓮人兄さまが教えてください。政略でもなんでも今は私の婚約者でしょ!」

私はそう言い放つと、自分でも信じられないぐらい大胆に着ていたニットを脱ぎ捨て、蓮人兄さまに抱き着いた。

「鏡花! やめろ!」

その言葉を無視すると、蓮人兄さまなの首に抱き着き言葉をさらに重ねる。

「誘われたなら断らないんですよね? 蓮人兄さまは女に恥をかかせるんですか……」
緊張で震えてしまっているのが気づかれるだろうか? そう思うも、私は引き下がらなかった。

「鏡花、お前は酔ってる」
蓮人兄さまの首元に顔を埋めているため、表情はわからない。でも、冷静すぎる言葉に苛立ちが募る。
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