蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

どこまで言っても私は、対象外なのか。そんな気持ちと、どうしても初めては蓮人兄さまがいいと思う自分。

数秒の無言が続いて、私はいたたまれなくなる。キングサイズの真っ白のシーツの上の半裸の私と、いつのまにかシャツを脱いでいた上半身裸の兄さま。

こんないかにもな状況にも関わらず、私は抱いてもらえない。
もう何も言えなくなりそうで、俯いた私の頬を温かいぬくもりが包む。

「そんなことはない。鏡花は十分女だよ」
寂し気にすら見える蓮人兄さまに、私は最後の勇気を振り絞って目の前の蓮人兄さまに自らキスをする。

「じゃあ、お願いだから」
そこで大きく蓮人兄さまの瞳が見開かれる。どんな感情なのかは私にはわからない。
でも、それからは知識だけでは補うことのない感覚に、私はもうどうすることもできなかった。
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