蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
後悔の夜と決意 Side 蓮人
Side 蓮人
腕の中で意識を失うように眠った鏡花に、俺は罪悪感や後悔の念が溢れる。
こんな歳になって、我を忘れるなんて。もちろん抱く気など全くなかったなんて言い訳にもならないだろう。
鏡花からメッセージが来たときのことを俺は思い出す。
『専務、まだ帰らないんですか?』
秘書の立花紗耶香の声に、俺は曖昧に頷く。
鏡花と一緒に住み始めてから、俺は自分の臆病さからなかなか早く家に帰れずにいた。
本当は俺だって鏡花と一緒の時間を過ごしたい。
でも、鏡花はまた無理をするだろう。ずっと好きだった真翔が結婚をし、いやいや大嫌いな俺の元に来ただけでもストレスが多いはずだ。
食事の時、俺の前に座ることすら嫌なのに、夜まで一緒にいては鏡花にとって酷だろう。
俺は大きなため息を無意識に吐く。鏡花のことになると何一つうまくいかない。
しかし、こんな俺なのに、うまくやっていきたいと相手のことばかり考える鏡花。