蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

でも、今鏡花は俺のテリトリーにいる。その現実が俺の心を閉めつける。
もう今は、他の女に触れる気さえしない自分にため息が零れ、無意識に口を開いていた。

『立花、帰れ』
『え?』
拒否されるなんて思っていなかったのだろう。立花は驚いたように顔を上げた。

『悪い。今はそう言う気分じゃない』
はっきりと言った俺に、立花は意外そうな表情を浮かべた。

そこへスーツの内ポケットに入っていたプライベート携帯が音を立てる。
ため息を付きながら、何気なくメッセージを開くと鏡花からだった。

【ご飯を作っくって待ってます。何時に】
いかにも中途半端な文章だったが、鏡花が待っていることに驚いて俺は動きを止めていた。
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