蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
そんなくだらないことを思ってしまう気持ちが止められない。
もう過去は戻らないのに。
俺は大きなため息を付くと、もう一度眠る鏡花の寝顔を見つめる。
「抱くんじゃなかった……」
抱いてしまったことで、俺はもう鏡花を逃がしてやれない。
ごめん。心の中で何度もつぶやきながら、俺は眠れる気はしなかったが目を閉じた。
次に目を開けたとき、ブラインドから差し込む光でいつのまにか眠っていたことに気づく。
鏡花!
昨日のことが鮮明に思い出されて、あのまま抱きしめて寝たはずの鏡花を探す。
本当の恋人ならば幸せな朝のはずなのに、横のシーツはすでに冷たかった。
もう長い時間ここにいないことは明らかで、俺が寝すぎたからなのか、俺なんかに自分の身体を許し、真翔を忘れようとしたことを後悔しているからかわからなかったが、俺はもう決意を変える気はなかった。
真翔を忘れたいそう思うのならば……。
自分の部屋でシャワーだけ手早く浴びると、白のシャツに、ブラックのパンツというラフな休日スタイルに着替えた。
そうして、俺はキュッと気合をいれると自分の部屋をでた。