蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「蓮人兄さまが謝ることではありません。すべて私の責任です」
これではきちんと記憶があったことがわかってしまうだろう。それでもきちんと話をできたことはよかったのかもしれない。そう思っていた私に、驚く言葉がかけられる。
「結婚しよう」
は? え? なんて言った?
呆然と私は蓮人兄さまを見上げてしまった。いつの間にか私の近くまできていた蓮人兄さまの瞳がそこにはあった。
「なんておっしゃいましたか?」
きっと聞き間違いだ、そう思い聞き返すした私に、はっきりと蓮人兄さまは言葉を繰り返す。
「正式に結婚しよう。今日にでも鏡花の家に挨拶に言って、その帰りには籍をいれたい」
「何をおっしゃってるんですか? そんな責任なんて……」
狼狽する私を他所に、蓮人兄さまは淡々と言葉を発する。