蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「妊娠している可能性があるなら、先にきちんと手を打っておきたい」
先に手を打つ……。その言葉にチリっと胸に痛みが走る。そんな責任や義務なんてみじめなだけだ。
「妊娠していないかもしれません。それに私は……」
結婚は必要ないそう言おうとした私の言葉を遮るように、蓮人兄さまは立ち上がった。
「これはもう決定事項だ。鏡花にも責任はある」
〝私の責任”その言葉が重くのしかかる。私の身勝手な思いからこんなことを引き起こしたのは事実だ。
でも、でも蓮人兄さまはいいの? 昔から責任感が人一倍強いのは知っている。
それに……。
どうであれ本当に蓮人兄さまと結婚できる。私の弱くてずるい考えが湧き出てくる。
私の自分勝手な行動で蓮人兄さまを縛ってしまう。でも……。それでも私は蓮人兄さまと一緒にいたい。
そう思うと、私はキュッと唇を噛んで決心する。
「蓮人兄さまと結婚します」
そう答えた後の蓮人兄さまは、驚くほど迅速に物事を進めていった。