蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
茶室になぜか二人で取り残され、私も急いで居間へ行こうと立ち上がると、蓮人兄さまが私の手に触れた。
「鏡花、本当にいいのか?」
そっと掴まれたはずだが、やけに力が強く感じてしまい、私はジッと蓮人兄さまを勇気をだして見つめる。
「はい」
真っすぐにグレーの瞳を見つめて言うと、蓮人兄さまの瞳が見開かれた。
それはどういう感情かはわからない。でも今日から私たちは本当の夫婦になる。それが事実だ。
「出来る限り大切にする」
予想外の言葉に、今度は私が驚いた表情をしたのだろう。
すぐに蓮人兄さまは視線を逸らすと、立ち上がり茶室から出て行った。
愛がなくても、大切にしてもらえる。
きっと大丈夫。私は自分に言い聞かせると、蓮人兄さまの後を追った。