蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
地下の駐車場に車を止まり、私が降りようとしていると助手席のドアが開く。そこには私を見下ろしながらドアを開ける蓮人兄さまがいて、私は遅かったかと慌ててしまう。

「鏡花」
急いで降りようとしていた私の目の前に、エスコートするように蓮人兄さまの手があった。

「兄さま……?」
その手を取っていいのだろうか? どういうことかわからずぼんやりと蓮人兄さまを見上げていると、少し気まずそうに蓮人兄さまは強引に私の手を取った。

「行くぞ」
そう言うと私の手を引き車から降ろすと、そのままエレベータまで歩いて行く。

家へ帰るとばかり思っていた私だったが、蓮人兄さまが一階のボタンを押したことに気づく。

「どこへいくのですか?」
「結婚した日ぐらい、二人で食事に行こう」
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