蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

「コースで予約してしまったが、食べたいものがあったら頼めよ」
慣れた手つきで、ワインをテイスティングして注文を終えた蓮人兄さまは私に視線を向ける。
「はい、でもどのお料理も楽しみなので大丈夫です」
既に並べられた鮮やかな前菜に私は目を輝かせる。
華道もお茶もそうだが、本来私は綺麗なものや、可愛らしいものが大好きだ。

なかなかそんなことをアピールもできなかったが、こっそりとリボンやアクセサリーなど着けずにしまい込んでいる。

何を言っていいのかわからず、お互いなんとなくグラスを傾け乾杯すると、シャンパンを口にする。
いかにもお祝いといった雰囲気で、少しくすぐったい気持ちになる。
出されたお料理はどれもおいしく、今日はあまり食欲がなかった私だったが、ぺろりと食べてしまった。

「おいしかったです」
特に何も言わないが、柔らかな雰囲気の蓮人兄さまは頷いてくれた。
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