トップリーガーの恋~おまえの心にトライする~
ふと澪が隣の席を見ると、年配の男性が胸を押さえて倒れ込んだ。すごい汗だ。

澪は慌てて男性の脈を取り、
「理桜ちゃん!救急車とAED!!」
と叫ぶ。

男性に声を掛けるも意識がない。

その間にも、澪は男性を仰向けに寝かし直し、着ているシャツのボタンを外しズボンのベルトを緩める。呼吸を確認できない。

そこへ、AEDを借りて理桜が走ってきた。

スタンドはザワザワし始める。

グランドで練習している選手は気づいていないようだ。

「澪さん、借りてきました!チームドクターは席を外されていていませんでした」

「理桜ちゃん、AED使うわよ」

「はい!」

看護師ふたりは、テキパキと処置をする。
熱中症の症状が悪化して、心肺停止を起こしている。
一刻を争う状況だ。

澪は、AEDをセットし理桜に声を掛ける。

「理桜ちゃん、ボタン押すから離れて!」

「はい!」

そして、作動する。

確認すると、心肺が動き出している。

そこへ、救急車が。

その頃には、選手にも何かあった事は伝わった。



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