トップリーガーの恋~おまえの心にトライする~
話をしている間に病院に到着した。

車を止めて急いで救急外来へ向かうふたり。

救急外来の前の椅子に腰掛けている女性の姿が目に入った。女性も足音が聞こえたのかこちらに顔を向ける。

「本城さん!」

「福田選手??」

「ありがとうございます。運ばれたのは俺の祖父なんです」

「えっ」澪はビックリして固まる。

「まあまあ。貴方が。主人を助けていただいたんですね。ありがとうございます」

「そんな。当たり前の事をしたまでです」

その時、処置室から医師が姿を現した。

澪の姿を見て、
「本城さん!」と驚く。

その後湊斗の姿を見て、
「福田選手??」

「祖父の症状は?」

「えっ。福田選手のお祖父様ですか。担当の河野です。お祖父様は、急激な脱水から熱中症になり、一時心肺停止状態になられました。幸い停止時間も短く処置も適切だった為、意識も回復され後遺症も見受けられません。ただ、お歳の事もありますし、入院してもらって様子を見ます」

「「ありがとうございます」」と頭を下げる湊斗と祖母。

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