わたしにしか見えない君に、恋をした。

決別の日

「ちょっと流奈ってばどこいってたの~?」

明子の様子を担任に伝えた後、クラスメイト達のいる校庭に戻るとサエコとナナがあたしの元へ歩み寄ってきた。

「先生に頼まれて明子の様子を見に行ってきたの」

「……は?明子?」

「なんで流奈が?」

サエコとナナは互いに目を見合わせて顔をしかめた。

「あたしと明子、仲が良いだろうから様子を見てきてほしいって頼まれたの」

「ふぅん。で、アイツどうしてた?もしかして教室の中で泣いてた?」

「あはは!ありえる……!」

ケラケラとバカにしたように笑いながら明子の悪口を言いあう二人。

笑いたくもないのに笑うのはもうやめる。

もう二人に合わせるのは、やめる。

「……明子の体操着がゴミ箱に捨てられてたんだけど、サエコとナナ何か知ってる?」

唐突なあたしの言葉に二人が固まる。

「なんで?」

「ちょっと聞いてみただけ」

サエコの目をまっすぐ見つめながらそう言うと、サエコが口の端をクイッと持ち上げた。

「そうだよ。うちらがやったの。なんで?ダメだった?」

サエコは挑発する様な口調で返した。

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