わたしにしか見えない君に、恋をした。

「できたら明日も、な」

何気なく言った湊の言葉に言葉が詰まる。

明日があるのが当たり前だと思っていたから。

でも、そうじゃない。明日があることは当たり前のことなんかじゃない。

「調子乗んないでくれる!?」
「じゃあ、こうすりゃいいじゃん」

湊はあたしの体をグイッと押す。そのままベッドに倒れ込んだあたしと湊。

湊に腕枕された状態のまま至近距離で向かい合う。

心臓の音が湊に伝わってしまうほど近い距離。

「今日だけ、一緒に寝るか」

「しょうがないなぁ」

本当は耳まで真っ赤になっていた。

でも、湊にそれを悟られないように必死に誤魔化す。

湊の体が徐々に冷たくなっていく。

あたしは出来る限り湊に近付いた。

少しでも体温が下がらないように。湊を温めよう。

一分でも一秒でも、湊とたくさんの時間を過ごすために。
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