わたしにしか見えない君に、恋をした。
でも、リアルに目の前にいた。

翌朝、目を覚ますと湊はあたしの寝顔をジッと見つめていた。

「……湊……!」

慌てて起き上がると、湊が笑った。

「流奈の隣だといびきがひどくて寝らんねーよ」

「嘘!?マジで?」

「っていうのは冗談だけど」

「ハァ!?最低!」

「寝顔、可愛かった」

「……へ!?」

あまりに突然のことに自分でもどこから出したのか分からないような変な声が出た。

それを聞いた湊はケラケラと笑っている。

「照れてんの?」

「照れてない!」

「照れてんじゃん。顔見せて」

「いやだ。絶対に嫌だ!!」

「いいから見せろって」

かわらかれてるのに、それをうまくかわす術をあたしは持ち合わせていない。

ああ、あたしのバカ。耳まで真っ赤になってるじゃない。これじゃますますバカにされてしまう。
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