わたしにしか見えない君に、恋をした。

「……――湊!!どこにいるの!?出てきてよ――!!」

スタンドを出ると大声で叫ぶ。

わかったんだ。ようやく分かったんだよ。湊が誰か。

このままなんてダメだよ。まだ何も言ってない。何もしてあげられてない。

「湊のバカーーー!早く出てきてよーーー!!」

人目もはばからず大声で叫ぶと、周りにいた人が一斉にこちらを向いた。

もう人の目なんて気にしている場合じゃなかった。

そんな余裕はもうこれっぽっちも残されていなくて。

ただ、湊に会いたくて。ただ、一緒にいたくて。

「湊――――!!」

あたしは声の限り叫んだ。

「――いるよ」

大好きな人の声。聞き間違えるはずがない。

パッと光のように目の前に現れた湊にギュッと強く抱きしめられた瞬間、自分でも信じられないぐらいに鼓動が速まった。

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