わたしにしか見えない君に、恋をした。
「これ……」

湊とあたしの二人で撮ったプリクラを手に取り、食い入るように見つめている愁人。

もうだいぶ薄れてしまっているプリクラ。

「湊先輩……か?」

「え……?」

「なんで?なんで姉ちゃんと湊先輩が一緒にプリクラ撮ってんだよ!?」

突然大声を上げた愁人に驚いて涙が止まる。

「なんでって……。ていうか、湊のこと知ってるの……?」

「知ってるに決まってる」

「そうなの?」

「いつ?これ撮ったの、いつだよ!?」

「えっ……?3週間前くらいだと思うけど」

「嘘つくなって!!」

「嘘じゃない!!」

「ありえないんだよ。そんなのありえないんだ……」

さっきまでの態度とは一転して、今度は肩を落とす愁人。

「なにがありえないの?」

「先輩が……プリクラなんてとれるはずがない」

「どういうこと?」

「湊先輩は俺のせいで……俺のせいで……」

愁人は顔を強張らせグッと奥歯を噛んだ。

そして、今度は肩を震わせて泣き出した。
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