わたしにしか見えない君に、恋をした。
リハビリ室を出て飲み物を買い、そのまま病院の外にあるベンチに向かう。
ここは静かだ。
二人掛けのベンチが一つだけ置かれた穴場のスポット。
ぼんやりと空を見上げると頬をやわらかい風が叩いた。
そっと目をつぶる。
意識を失っていた間、夢を見ていた気がする。
誰かとしゃべったような気もするし、誰かと一緒にいたような気もする。
『忘れたくない』
夢を見ている間、何かをそう強く願った気もする。
大切な人もいたはずだ。
その人を俺は抱きしめた。離れたくない、そう強く願いながら小さな体を抱きしめた。
でも、目が覚めるとその夢は俺の記憶からすっぽりと抜け落ち、忘れてしまった。
何か大切なものを。忘れてはいけない大切なものを。
それが何か分からない。
ここは静かだ。
二人掛けのベンチが一つだけ置かれた穴場のスポット。
ぼんやりと空を見上げると頬をやわらかい風が叩いた。
そっと目をつぶる。
意識を失っていた間、夢を見ていた気がする。
誰かとしゃべったような気もするし、誰かと一緒にいたような気もする。
『忘れたくない』
夢を見ている間、何かをそう強く願った気もする。
大切な人もいたはずだ。
その人を俺は抱きしめた。離れたくない、そう強く願いながら小さな体を抱きしめた。
でも、目が覚めるとその夢は俺の記憶からすっぽりと抜け落ち、忘れてしまった。
何か大切なものを。忘れてはいけない大切なものを。
それが何か分からない。