わたしにしか見えない君に、恋をした。
毎日のルーティーンの中に、流奈と一緒に過ごす時間が追加された。

午前と午後、2回になったリハビリの後、俺たちは一緒にリハビリ室を出る。

外は気持ちがいい。

会話をしながら向かう先は病院の裏手にあるベンチだ。

「早くサッカーしたいでしょ?」

「だな」

「利き足はやっぱり左なの?」

「……なんで?」

「え。だって湊は左利きでしょ?知ったときビックリしたんだよ。でもなんか左利きってかっこいね」

「俺、左利きだって流奈に話した記憶がない」

「えっ。あたし湊に聞いたよ?」

「いや、話してない」

「じゃあ、なんで知ってるんだろう……?サッカーの試合とか見て気付いたのかな?うーん。でも確かに聞いた記憶があるんだけどな」

何故かは分からない。流奈は俺が話していないことを度々口にする。
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