わたしにしか見えない君に、恋をした。
「えっ?なに?どういうこと?」
鏡に近づいて覗き込む。
「どうして……――。どうして鏡に映ってないの?」
意味が分からない。
なにこれ。一体、なに?
「やっぱり鏡には映らないんだな」
いつのまにかあたしのすぐ後ろに立っていた彼が呟く。
でも、彼の姿は鏡には映っていない。
鏡の中にいるのは、目を見開いて驚いているあたしの姿だけ。
その時、ピンッときた。
今朝の金縛りもまさか……――!!
「う、嘘!!ていうか、もしかしてアンタ、幽霊!?」
「俺にもよくわからない。でも、こうやって話したりできたのはお前だけ」
「えぇーーー!?ウソ。やだ、怖いんだけど!!ていうか、今日金縛りにあったのも……そのせい?」
体中に寒気が走り、両腕を手のひらで擦る。
「あーーーー!!絶対そう!絶対そうじゃん!うわぁぁ。マジ無理!本当に無理!」
あまりの恐怖に涙はぴたりと止まる。
「ねぇ、今日あたしの布団の上にいなかった!?」
「布団の上?」
「あたしの体の上で寝てたんでしょ!?」
霊感なんてこれっぽちもないはずなのに、どうして!?
「お前、すげぇ失礼な奴だな」
「ていうか、なんであたしの前に現れたの!?成仏できてないの?」
「分からない。俺、自分の名前しかわかんないし」
「だからさっき、苗字が分からないって言ってたの?」
「そういうこと。年も、どこに住んでたのかも、自分が死んでんのかも分からない」
「ちょ……嘘でしょ。じゃあ、これからどうするの?」
「さぁな。とりあえず、お前とはこうやって話すこともできるし、しばらくはここにいさせてもらうわ」
「えぇ!?無理無理!!幽霊と一緒に暮らすなんて絶対に無理!!お願いだから、出て行ってよ!!」
「――ん?嫌だ」
これがあたしと湊との不思議な出会いだった。
鏡に近づいて覗き込む。
「どうして……――。どうして鏡に映ってないの?」
意味が分からない。
なにこれ。一体、なに?
「やっぱり鏡には映らないんだな」
いつのまにかあたしのすぐ後ろに立っていた彼が呟く。
でも、彼の姿は鏡には映っていない。
鏡の中にいるのは、目を見開いて驚いているあたしの姿だけ。
その時、ピンッときた。
今朝の金縛りもまさか……――!!
「う、嘘!!ていうか、もしかしてアンタ、幽霊!?」
「俺にもよくわからない。でも、こうやって話したりできたのはお前だけ」
「えぇーーー!?ウソ。やだ、怖いんだけど!!ていうか、今日金縛りにあったのも……そのせい?」
体中に寒気が走り、両腕を手のひらで擦る。
「あーーーー!!絶対そう!絶対そうじゃん!うわぁぁ。マジ無理!本当に無理!」
あまりの恐怖に涙はぴたりと止まる。
「ねぇ、今日あたしの布団の上にいなかった!?」
「布団の上?」
「あたしの体の上で寝てたんでしょ!?」
霊感なんてこれっぽちもないはずなのに、どうして!?
「お前、すげぇ失礼な奴だな」
「ていうか、なんであたしの前に現れたの!?成仏できてないの?」
「分からない。俺、自分の名前しかわかんないし」
「だからさっき、苗字が分からないって言ってたの?」
「そういうこと。年も、どこに住んでたのかも、自分が死んでんのかも分からない」
「ちょ……嘘でしょ。じゃあ、これからどうするの?」
「さぁな。とりあえず、お前とはこうやって話すこともできるし、しばらくはここにいさせてもらうわ」
「えぇ!?無理無理!!幽霊と一緒に暮らすなんて絶対に無理!!お願いだから、出て行ってよ!!」
「――ん?嫌だ」
これがあたしと湊との不思議な出会いだった。