わたしにしか見えない君に、恋をした。
「だって、姿は見えないけどあたしに触れる手は温かいし……。なんか不思議だなって。顔だって死んだら血の気がなくなるはずなのに湊の顔は普通だよ?」
「つーかさ、俺、どんな顔?」
「へ?」
「鏡に映んないから自分の顔が分からない」
「あぁ、そういうこと」
「俺、どんな顔してんの?」
どんな顔って言われたら、たった一言で済ませる自信がある。
イケメン。悔しいけれど、その4文字がすべてだ。
「カッコいい、って女の子は思う顔してる」
「なんだそれ」
「目は奥二重で切れ長。鼻筋は通ってて、唇は薄いかな。肌は日焼けしてる。髪の毛の色は黒」
あたしの言葉に湊はほんの少し考えたあと、
「全然分かんないけど、流奈的にはあり?なし?」
湊は淡々とそう尋ねた。
「えっ!?」
ありかなしでいったら、あり。でも、悔しいからそんなこと口が裂けても言わない。
「ナイショ」
「なんだよ、ケチ」
湊はそう言うと、隣で大きく伸びをした。
「俺、どうなってんのかな。生きてんのか死んでんのかも、どうして流奈にだけ触れられるのかもわかんねぇし」
「うん」
「俺に見覚えない?昔、俺と付き合ってたとか」
「ない」
「じゃあ、血の繋がってない腹違いの兄妹とか」
「ないない。そもそも顔が似てないし」
「俺と流奈に何かの接点があるのは間違いないと思ったんだけどな」
「あたしが思いつく限りでは、あたし達に接点はなさそうだよ。ごめんね、湊。なんの役にも立てなくて……」
がっかりする湊に申し訳ない気持ちになる。
もともとあたしには霊感もないし、湊以外の幽霊を見たこともない。
どうしてあたしにだけ湊の姿が見えるのか、思い当たる点が一つもなかった。
「いや、謝んなって。流奈が悪いわけじゃないし。つーか、今から暇?」
「うん」
「じゃあ、ちょっと付き合ってくんない?」
「いいよ」
あたしは湊のお願いに快く頷いた。
「つーかさ、俺、どんな顔?」
「へ?」
「鏡に映んないから自分の顔が分からない」
「あぁ、そういうこと」
「俺、どんな顔してんの?」
どんな顔って言われたら、たった一言で済ませる自信がある。
イケメン。悔しいけれど、その4文字がすべてだ。
「カッコいい、って女の子は思う顔してる」
「なんだそれ」
「目は奥二重で切れ長。鼻筋は通ってて、唇は薄いかな。肌は日焼けしてる。髪の毛の色は黒」
あたしの言葉に湊はほんの少し考えたあと、
「全然分かんないけど、流奈的にはあり?なし?」
湊は淡々とそう尋ねた。
「えっ!?」
ありかなしでいったら、あり。でも、悔しいからそんなこと口が裂けても言わない。
「ナイショ」
「なんだよ、ケチ」
湊はそう言うと、隣で大きく伸びをした。
「俺、どうなってんのかな。生きてんのか死んでんのかも、どうして流奈にだけ触れられるのかもわかんねぇし」
「うん」
「俺に見覚えない?昔、俺と付き合ってたとか」
「ない」
「じゃあ、血の繋がってない腹違いの兄妹とか」
「ないない。そもそも顔が似てないし」
「俺と流奈に何かの接点があるのは間違いないと思ったんだけどな」
「あたしが思いつく限りでは、あたし達に接点はなさそうだよ。ごめんね、湊。なんの役にも立てなくて……」
がっかりする湊に申し訳ない気持ちになる。
もともとあたしには霊感もないし、湊以外の幽霊を見たこともない。
どうしてあたしにだけ湊の姿が見えるのか、思い当たる点が一つもなかった。
「いや、謝んなって。流奈が悪いわけじゃないし。つーか、今から暇?」
「うん」
「じゃあ、ちょっと付き合ってくんない?」
「いいよ」
あたしは湊のお願いに快く頷いた。