わたしにしか見えない君に、恋をした。

「ただいま……」

家に帰りベッドに腰掛ける。

部屋の中に湊の姿はない。

あたしはハァと小さなため息をついた。

悶々とした気持ちは晴れてくれる気配がない。

あたしはこの先一体どうすればいいんだろう。

ふと時計の針を見ると18時半を回っている。

あたしは立ち上がってテーブルの上に置いておいた写真立てを手に取った。

湊がUFOキャッチャーでとってくれたキャラ物の写真立て。

写真を入れて部屋に飾ろうかなと考えていたけど、どの写真を飾ろうか迷ってしまう。

仲の良い友達とか、彼氏がいれば一緒に撮った写真を飾るんだろうな……。

そんなことを考えていると、

「よう」

と背後で声がした。

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