居候同期とフクザツな恋事情



だけど、永田さんが選んだのはイオではなくて滝宮さん。

滝宮さんは私が所属する海外事業部の先輩で、私たちよりも7つくらい年上だ。

私が新入社員として海外事業部に配属された当時、滝宮さんは事業部のエースで。同じ部署にいながらもほとんど関わることのない、雲の上の人だった。

たまに挨拶を交わす程度の関係のままに入社1年目が過ぎた頃、滝宮さんはうちのアメリカ販社へと異動になった。

そこから3年ほどアメリカの駐在員として働いていて、ちょうど2ヶ月ほど前に任期を終えて帰国してきたばかり。

入社当時はなんとなく近寄りがたい人だったけど、話してみたら意外とフレンドリーで優しい。

なんとなく女の子の扱いもうまいし、話もおもしろいし、男女の隔てなく、自分より立場が上の人にも下の人に細かい気遣いもできるし。

モテそうな人だなーとは思っていた。

松野くんなんかは、滝宮さんが帰国したばかりの頃から懐いてて、よく仕事の相談をしたりしている。



< 100 / 240 >

この作品をシェア

pagetop