居候同期とフクザツな恋事情



「土曜日、松野くんに誘われてたんだ」

「え、松野?」

テーブルに伸ばした腕に頬をのせて伏せたイオが、視線を上げた。


「誘われてるって……メェちゃん、松野とふたりで出かけるくらい仲良いの?」

「な、なに言ってんの。松野くんとはただの同期で。特別仲良いとか、そんなんじゃないよ」

つい動揺して声を詰まらせた私を、イオが疑わしげな目でジッと見てくる。


「今は違うけど、今後、付き合うとかそういう雰囲気になりそうってこと?」

「ぜ、全然、そんなんじゃないよ。海外事業部で、私たちの同期の、坂部絢子って知ってる?その子が結婚するから、土曜日に部署の先輩たちとみんなでお祝いすることになってて。その幹事が松野くんなの。誘われたっていうのは、そういう意味!」

「ふーん」

本当のことをちゃんと説明してるのに、イオはまだ疑わしげに私のことを見ている。

そりゃ、個人的に誘われてたら私だってどんなにいいかって思うけど。

残念ながら、そんな雰囲気ではなかったもんなー。


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