居候同期とフクザツな恋事情


イオがダイニングとリビング兼寝室との仕切りのドアをぴしゃっと閉めたから、なんだか彼に拒絶されたような気持ちになった。

なっ、……

なんなの、あいつっ!

淋しそうにしてると思ったら、急に怒りだすし。怒ってたと思ったら、今度はなにもなかったみたいにヘラヘラしだすし。

わけわかんない。なんか、よくわかんないけどイライラする。

仕切り戸の向こうにいるイオの顔を思い出して、それを睨んでいると、またスマホの通知音が鳴った。

それは、松野くんからの追加のメッセージで。

真希子さんを中心とした先輩たちが、絢子へのサプライズでケーキを用意する予定だとかで。私もそのサプライズに参加で大丈夫かどうか、確認するような質問がきている。

普段だったら、松野くんからのメッセージを放置してスマホを放り出すなんてことはしないのだけど。

今は、仕切り戸の向こうにいるイオのことがムカつきすぎて。

松野くんへの返信どころじゃなかった。


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