居候同期とフクザツな恋事情
「メェちゃん。いろいろ悪かったなーって思うけど……ごめん、最後の一言だけちょっとよく意味わかんな――……」
「うるさいっ!」
イオの布団にゲシッと足を踏み入れて一喝すると、彼が「はい」と小さく返事して口を閉ざした。
それから、身を庇うように胸の前に腕を交差して私を見上げるイオをジッと見つめる。
「あ、の。メェちゃん?」
しばらく身動きもせずに佇んでいると、下から私の様子を窺っていたイオが恐る恐る声をかけてきた。
怯えたような、不安そうなイオの瞳をずっと見ていると、衝動的起こしてしまた自分の言動の意味がよくわからなくなってきて、身体から力が抜けていく。
私、そもそもなにがしたかったんだっけ。
そうだ。永田さんにフラれたイオが元気がないから、ちょっとくらい普通に笑って欲しかったんじゃん。
深くため息をつくと、その場にすとんとしゃがみ込む。
そうしたら、イオと正面からほとんど同じ高さで目が合った。