居候同期とフクザツな恋事情
「あの、さ、メェちゃん」
「は、はい」
なんとなくまだ気まずい空気が残っているせいか、ただ呼ばれただけなのに、異常なくらいにドキンと心臓が跳ね上がった。
「日曜日のことだけど。メェちゃんが気遣ってくれた気持ちとか、そういうのは嬉しくて。だから、楽しみにしてるね。パンケーキ」
「あ、うん」
少し緊張気味に頷くと、イオが大きく口角を引き上げてにこりと笑った。
イオがそんなふうに明るく笑うのを見たのは、何日かぶりな気がする。
そのことが嬉しくて、眩しくて。仕切り戸の向こうへと消えていくイオの後ろ姿に、いつまでも胸がトクトク鳴っていた。