居候同期とフクザツな恋事情
しばらくして、私たちはお店のテラス席に通された。
お互いに散々迷った結果、私はイチゴが載ったものを、イオは生クリームにチョコレートソースがかかった甘そうなのを注文した。
「あ、あと、コーヒー……メェちゃんもいる?」
オーダーを聞きに来てくれた店員さんが注文確認をしようとすると、イオが私に視線を向けて首を傾げる。
それに頷いて答えると、イオが店員さんに向かって指を二本立ててにっこり笑ってみせた。
「じゃぁ、コーヒーふたつで」
「かしこまりました」
イオの笑顔に、注文を聞いてくれた店員の女の子が少しはに噛んだような気がする。
それに気付いて、イオの座る椅子の足を軽く蹴ってみる。
だけど、イオは私の小さなサインに気付かずに水の入ったグラスを手にとった。
「そういえばさ、楽しかった?」
「なにが?」
「昨日の飲み会。帰ってきたことに気付かなかったし、遅くまで盛り上がってたのかなーって」
イオが私を見て、無邪気ににこりと笑う。