居候同期とフクザツな恋事情

「まぁ、そこそこ?」

私は笑顔のイオから視線を外すと、お手拭きのビニール袋をつかんでおもむろに破いた。

昨日の飲み会は、絢子とそれから部署の先輩たちを中心に盛り上がっていた。

私はもっぱら、酔っぱらってテンションの上がった真希子さんや滝宮さんの話の聞き役で。

飲む量には気を付けながら、先輩たちの話をできるだけにこにこ聞いていた。

楽しかったのは楽しかったけど……

同期だけで行く飲み会よりは、気を遣ってしまって少し疲れた。

しかも、真希子さんたちが二次会も行くって聞かないから、そのあとに近くのバーにさらに雪崩れ込むことになっちゃったし。

一次会のお店で、絢子へのサプライズケーキを食べてお腹いっぱいになったあとだったから、その後の二次会はなかなか辛かった。

「松野とは、なにか進展あった?」

昨夜の飲み会のことを思い出して黙っていると、イオが頬杖をついて悪戯っぽく笑いかけてくる。


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