居候同期とフクザツな恋事情
二次会で入ったバーで、私と滝宮さんが偶然隣同士の席になった。
永田さんとのキス現場を見てしまってから、無関係なくせに、滝宮さんに対して勝手に気まずさを覚えてしまっていたのだけれど。
私がそんな現場を目撃したとは思ってもいない滝宮さんは、二次会のあいだもずっと気さくに優しく話しかけてくれていた。
「滝宮さーん、なんか在原さんといい雰囲気になってません?」
静かに飲みながら滝宮さんの話を聞いていると、それまで絢子のそばで盛り上がっていた真希子さんがやってきて、私と滝宮さんの間に割り込んできた。
「飲み過ぎだろ、加藤。お前、相変わらず、酒飲んだら人に絡むよな」
落ち着いた雰囲気で笑う滝宮さんの肩を、真希子さんがとんっと軽く突き飛ばす。
「なに言ってるんですか。滝宮さんなんて、顔色変わらないけど、実は結構酔っ払ってることが多くて。昔はそのまま、若い女の子を持ち帰っちゃってたくせにー。気を付けた方がいいよー、在原さん」
真希子さんがそう言って、続けて私の肩を叩くから、ドキッとした。