居候同期とフクザツな恋事情
「まぁ、この歳だし。それなりに、いろいろあるけどね」
「いろいろ?私の同期から聞いたんですけど、アメリカから帰って来た滝宮さんと、結婚前提でお付き合いしたいって思ってる女子社員が結構いるみたいですよ」
完全に、酔っ払いの絡み屋と化している真希子さんが、滝宮さんの肩を突きながらニヤニヤ笑う。
それを見兼ねたのか、絢子たちのほうで飲んでいた松野くんがやって来て、真希子さんのことを滝宮さんから引き剥がした。
「真希子さん、ちょっと絡みすぎです。みんな、向こうでそう言ってる」
呆れ顔でそう言った松野くんが、真希子さんのことを元いた席へと引き摺っていく。
そのあとは、私も絢子たちのほうに合流してしばらく飲んでいたけど。
はっきりとしなかった滝宮さんの結婚前提の彼女のことは、少し気にかかったままだった。
それって、永田さんのこと……?それとも。
昨夜は遅くに帰ってきて私も疲れていたし、イオだってもう寝てしまっていたから話さなかったけど。