居候同期とフクザツな恋事情



「そんなことないって。メェちゃんは、美味しいもの食べたら元気出るって言ってたけど、俺は美味そうに食べてるメェちゃん見てたら、元気出てきたかも」
 
ただでさえ、無警戒で食べてたところを何枚も撮られて恥ずかしいのに、笑顔でそんなことを言われたらほんとに困る。


「知らないけど。気を抜いてるところ撮るのは絶対なし!」

ムッとして睨んだら、イオがクスクス笑いながら何枚か撮った私の写真をスライドさせて見せてきた。


「このなかの一枚、松野に送っといてあげようか?」

「絶対やめて!こんなの送ったら、絶対嫌われる」

だって、全部ブス過ぎるし。

さらにムッとしてイオを睨みながら、力任せにフォークをパンケーキに突き刺す。

イオから顔を背けながらそれを口に運ぼうとしたら、彼がスマホを自分のほうに引き寄せてポケットにしまった。


「そっか。俺がメェちゃんと一緒にパンケーキ食いに来てる理由とか、松野に追求されたらまずいよね」

イオの声からさっきまでの明るさが消えたような気がして、口に運ぼうとしていたフォークをお皿に戻す。


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