居候同期とフクザツな恋事情
◇
「これ、もう下げちゃうね」
「あ、うん。手伝う」
夜ご飯に使った食器と、食後に飲んだコーヒーマグを重ねて立ち上がると、慌てて立ち上がったイオが一緒に食器をシンクまで運んでくれる。
昼間に外食したから、夜は家に帰ってきて冷蔵庫にあった食材で使ってオムライスを作ってみたら、イオにやたらと好評だった。
スポンジに洗剤を垂らしながら、食器をシンクの流し台に入れてくれるイオの横顔をチラッと盗み見る。
「メェちゃん、すごいねー。めっちゃ美味い!」
そう言って嬉しそうに笑いながら、私のふつうオムライスを食べてくれたイオは、なかなか可愛かった。
そういえば、以前も冷凍餃子焼いただけでものすごく喜んでくれたし。
私のふつう料理であんなに喜んでくれるなら、たまに夜ご飯作ってあげようかな。
「イオ、なんか嫌いなものある?」
「嫌いなもの?特にないかなー」
「エラい!」
「え、なんで?」