居候同期とフクザツな恋事情
「さっき言ってたけど、もしかしたら復元できるかもってほんと?」
「うーん、絶対できるとは言い切れないんだけど。メェちゃんの話聞いたら、可能性はあるかなって」
イオの言葉に、親しくなって初めてくらいの期待を抱く。
「ちょっとパソコン見てもいい?」
「あ、うん。これなんだけど」
プレゼン資料のファイルを指で示すと、隣に立ったイオが姿勢を低くしてパソコン画面の前で顔を寄せてきた。
別にやましいことがあるわけでもないのに、ふわっと鼻先を掠めたイオの香りにドキッとする。
パソコン画面を気にするフリをしながら、そっと横目でイオを見ると、いつになく真面目な顔付きでマウスとキーボードを操作しているから、尚更ドキドキした。
「あ、できたかも」
カチリとマウスをクリックしたイオが、パッと振り向いて嬉しそうに笑う。
不意打ちの笑顔に驚いて、椅子ごとガタッと身体を揺らしたら、イオが不思議そうに首を傾げた。