居候同期とフクザツな恋事情


でもイオには、ちゃんと自分の意志で、私から手を伸ばしたい。

他の人のために悩んだり悲しんだりせずに、私を見て笑ってほしい。

一緒に住んでたってダメなとこばっかり目立って、世話が焼けて仕方ないのに。ほっとけない。

というか、たぶん、もう。ほっときたくなくなってる。イオのこと。

だいたい、『メェちゃんのほうが元気になる』とかさらっと言ってくれちゃったけど。そんなの、酔っ払ってたって適当に言っちゃいけない殺し文句じゃないか。

人がこんなに考えているのに、何も知らずにぐーすか寝ているイオに腹が立つ。

せめてもの仕返しのつもりで、さらさらで柔らかなイオの髪をぐっちゃぐちゃに掻き撫でてやる。

そんなことをしても全く目を覚さないイオの髪を、気が済むまでぐちゃぐちゃに撫でると、私はため息を吐きながら、ごろんとイオの隣に寝転がった。


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