居候同期とフクザツな恋事情
そういえば私、酔っ払って眠ってしまったイオの隣に寝転がって、そのまま寝落ちちゃったんだ。
それに、酔っ払っていたイオが覚えているかどうかはわからないけど、イオに抱きしめられた。
夜遅かったとはいえ、無遠慮に触ってしまったイオの髪の柔らかさとか、イオに対して抱いてしまった気持ちを思い出したら、結構気まずい。
とりあえず起きて、顔洗って、コーヒーでも飲んで落ち着こう。
そーっと静かに身体を起こして立ち上がろうとしていたら、毎朝どんなに呼んでも叩いても起きないイオが、もぞもぞ動き始めた。
目を覚ましたイオが、私を見上げながらぼんやりとした顔で目を擦る。
その様子を眺めながら、寝起き、可愛いな。なんてうっかり思っていたら、布団の上で正座したまま完全にそこから退くタイミングを逃した。
「あれ、メェちゃん。おはよう」
「あ、うん。おはよう」
目を擦りながら、もぞもぞと起き上がったイオが私と向き合うように座る。今耳の後ろあたりに、ぴょこんと外に跳ねるみたな寝癖がついていた。