居候同期とフクザツな恋事情
「ごめん。もしかして、昨日の夜、メェちゃんが布団敷いてくれた?帰って来てから飲んでた気がするんだけど、そのあとどうしたかあんまり記憶なくて……」
「あ、うん」
どの辺から記憶ないんだろう。
きっと、昨日のあれは確実に覚えてないんだろうな。
ガッカリしたような、ほっとしたような、複雑な気持ちでぼんやりしていると、私のほうに距離を詰めてきたイオが下から顔を覗き込んできた。
「メェちゃん?」
イオの綺麗な焦げ茶の瞳に映る、とぼけた自分の姿を見つけて慌てて後ろに後ずさる。
「な、何?」
「いや、なんかメェちゃん、ぼーっとしてるから」
「べ、別にいつもどおりだけど!」
今頃になって、心臓がバクバクと激しく音をたてて鳴り出す。
それを誤魔化そうとムキになったら、イオに返す声が怒っているみたいになった。
「メェちゃん、なんか怒ってる?昨日散らかした空き缶だって、片付けてくれたんだよね?だから……?」
私が怒っていると勘違いしたイオが、肩を落としてシュンとする。