居候同期とフクザツな恋事情
「だ、だけど……イオは今も永田さんのこと気になってるんでしょ?」
「それ、ね。メェちゃんがそう思ってるのがわかってたから、うまく言えなかったんだけど……」
イオが少し考えるように首を傾げる。
「俺、美玲に滝宮さんのことで相談受けて抱きつかれても、『ラッキー、チャンスだ』とか、そういう気持ちには全くならなかったよ」
イオがゆっくりと言葉を選ぶように話す。彼の言葉をひとつも聞き漏らさないようにと思うのに、それを阻みそうなくらいの勢いで心臓がドクドクと鳴っていた。
「出張先でも、気が付いたらメェちゃん何してるかなって考えちゃうし。今日だって、家に帰ったらメェちゃんがいないから、どうしようってめっちゃ焦ったし。俺の気持ち、メェちゃんにすごく揺れてる」
眉尻を下げたイオが優しい目をして笑う。
少し困ったようにも、恥ずかしそうにも見えるその笑顔が、私の胸をきゅっと甘苦しく締め付けた。
「だから、もしメェちゃんがよかったらなんだけど。もう少し、一緒にいていい?」