居候同期とフクザツな恋事情
新入社員のときに海外事業部に配属された同期は、私を含めて3人。
新人の頃から厳しいと評判の海外事業部の先輩たちに揉まれて切磋琢磨してきた私たちは、他の部署の同期に比べて仲が良い。
2週に1回くらいのペースで仕事帰りに飲みに行ったりしているのだけど、休日の夜に集まってご飯を食べたのは今日が初めてだった。
3人の同期のうちのひとり、坂部 絢子の結婚が決まったので、そのお祝いをしたのだ。
2年付き合った彼氏との結婚が決まった絢子はとても幸せそうで、もうひとりの同期である松野 怜智とともに、絢子のことをからかったり持ち上げたりしながら彼女のことを祝福しまくった。
そうして大切な同期の幸せを祝いながらも、私は隣に座っていた松野くんのことを密かに意識していた。
アメリカからの帰国子女である松野くんは、英語力が高い上にコミュニケーション力も高く、頭の回転が早くて同期の中でもずば抜けて優秀だ。
海外事業部の中でも、将来が期待できる若手として上司や先輩から評価されている。
そのうえ、顔面偏差値だってものすごく高い。
他の部署にも顔と名前が知られているくらいイケメンなのだ。