居候同期とフクザツな恋事情
7.好きって思ってくれているなら。
「イオー。そろそろ起きないと遅刻だよ。私、今日は早く行くからね」
相変わらず、時間ギリギリまですやすやと眠っているイオに声をかける。
無反応なイオの枕元にしゃがんで、布団の上からトントンと肩を叩いたら、ようやくその身体がもぞもぞと動いた。
「んー、メェちゃん。出るの早すぎない?」
寝起きのふにゃふにゃの声を出しながら、イオが眠そうに瞼を擦る。
「うん、そうなんだけど。今日の夜、部署の人たちと飲みに行く約束してるんだ。だから、早めに行って少しでも仕事を片付けちゃおうと思って」
「飲み会?」
ついさっきまで寝ぼけ眼だったイオの目が、ぱっと見開かれる。
仰向けに寝転んだままのイオの顔を枕の上側から逆さまに眺めていた私は、急に目力の入った彼に驚いた。
「そうだよ。昨日の夜、イオのお土産のチーズケーキ食べてるときに話さなかったっけ?」
「あんまりよく覚えてない」
イオが私を見上げて、なんだか不満そうに眉を寄せる。