居候同期とフクザツな恋事情
「その飲み会って、松野も参加する?」
ぼんやり考えていると、下からイオの声がした。
「うん。同期では松野くんと絢子が来るよ。あと、先輩が何人か」
「へぇ、メェちゃんの部署、仲良いんだね」
「うーん。どうなんだろう」
今回の飲み会の主催は2個上の先輩の真希子さん。絢子の結婚祝いで飲みに行ったのが楽しかったらしく、第二弾を……との要望があったのだ。
「でも、絢子は結婚しちゃったから。今日は少し早めに帰るかもしれないんだって」
「ふーん」
気のせいかもしれないけど、イオの声のトーンが低くなる。
「イオ、まだ眠い?」
「目は覚めてるよ。メェちゃんのおかげで」
首を傾げて訊ねたら、イオが右腕を上に伸ばして私の頭の後ろをつかんだ。
そのまま後頭部をぐっと押さえられたかと思うと、イオとの距離が近くなってお互いの唇が触れ合う。
咄嗟のことに目を閉じるのも忘れて呆然とする私を、イオが下からじっと見上げてきた。