居候同期とフクザツな恋事情
「メェちゃんはどうなの?」
「へ?」
「松野じゃなくて、俺のこと好き?」
ふと真面目な顔付きになったイオの瞳が、暗がりの中で切なげに少し揺れる。
静かな部屋に響いたイオの声に、胸が震えた。
同時に、絢子に言われたことを思い出す。
ちゃんと確認したほうがいいって。だから、私もちゃんと伝えたほうがいい。
「好きだよ」
ブランケットを握りしめて、声を振り絞る。
「出て行って欲しくないって思ったのだって、イオのこと好きだから……」
寝転がって私を見上げていたイオが、少し目を細めて笑った。
「メェちゃん」
イオが肘をついていないほうで手招きをして、私とイオの間に微妙に空いたスペースをぽんぽんっと叩く。
それは、もっとこっちに来いってこと?
今まだ、告白の途中なのに。
躊躇っている私に痺れを切らしたのか、イオが身体を起こして私の腕をつかむ。
そこに感じた熱にドクンと胸を鳴らしたのもつかの間、覆い重なってきたイオに押し倒された。