居候同期とフクザツな恋事情
目前に迫るイオの綺麗な顔と、ギッとベッドが軋む音に、胸が昂る。
はらはらと額に流れ落ちてくる、イオの柔らかな髪の毛が少しくすぐったかった。
「メェちゃん、俺との約束ちゃんと守ってくれた?」
「約束……?」
「松野の隣、座らなかった?」
「座ってないよ」
「よかった」
イオが嬉しそうに言って、私の肩先にぽすっと頭を預けてくる。
その無防備な態度にドキッと胸を鳴らしながら、私はイオの髪にそっと手を伸ばした。
さらさらして柔らかい髪を指で触ると、イオがくすぐったそうに私の耳元で息を吐く。
こんなふうにドキドキさせられて、もし「好きじゃない」って言われたら確実に落ち込むけど。
8割くらいの確率で勝算はあるだろうから、大事なことを確かめてみることにした。
「イオは?私のこと……」
「うん。メェちゃんのこと、好き」
緊張して震える私の言葉が、先読みしたイオにあっさりと遮られる。