居候同期とフクザツな恋事情
Tシャツにスウェットというラフな格好で現れた仲林くんが、丸まって座る私の真ん前に来てしゃがむ。
「何してんの、在原さん」
そう言って私の顔をちょっと覗き込むように首を傾げた仲林くんから、ふわっとシャンプーの匂いが漂ってきてからドキッとした。
近くで見る仲林くんは、私が思っていたよりもずっと綺麗な顔立ちをしていて。香ってくるシャンプーの匂いは私が気に入って使ってるものなのに、なぜか私よりも仲林くんほうが似合っている気がした。
不思議そうに私の顔を見つめる仲林くんから視線をそらすと、彼を避けるように立ち上がる。
「わ、私もお風呂入ってくる」
「あー、うん」
どもりながらそう宣言した私を見上げて、仲林くんがにこりと笑う。
クローゼットの中のプラスチックの衣装ケースからコソコソと着替えを出してバスルームに行こうとすると、仲林くんに呼び止められた。
「在原さん。俺、今日ここで寝ていい?適当に布団借して」