居候同期とフクザツな恋事情
仲林くんがそう言って指差しているのは、ベッド下のスペース。
一応カーペットは敷いてあるけど、床はフローリングだ。
「いいけど。お客さんなんてほぼ来ないから、上にかけるブランケットしかないよ?」
クローゼットから使っていないブランケットを取り出す。
「床で寝たら、身体痛くならない?」
クッションを枕がわりにして早速寝転ぶ仲林くんを呆れ顔で見下ろすと、彼が私をジッと見つめた。
「え、もしかして一緒にベッドで寝かせてくれる?」
甘えるようにそう尋ねてくる仲林くんの表情は、むかつくけどちょっと可愛い。
だけどやっぱりむかつく比率のほうが高いから、クローゼットから取り出したブランケットを仲林くんの顔に向かって投げつけた。
「寝かせない。床で寝続けるのが嫌だったら、早く家見つけて出てって」
「はーい」
ブランケットの下から顔を覗かせた仲林くんを睨んでみたけど、彼は全く意に介さず、もぞもぞと床の上で寝る態勢を整え始めた。