居候同期とフクザツな恋事情
床の上でブランケットに包まっているのに寝心地が悪くないのだろうか。
仲林くんは私が鳴らしたアラームの音に気付く様子もなく、スヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。
「おーい、朝ですよー」
横にしゃがんで声をかけてみたけど、仲林くんは微動だにしない。
「おーい」
あまりに反応がないので、軽く肩を揺すってみる。それでも、彼が目を覚ます気配はなかった。
いいや、寝てる間に着替えちゃおう。
クローゼットから着替えを取り出して、バスルームに全て持ち込む。
もし万が一、寝起きで顔を洗いにきた仲林くんにドアを開けられるという事故が起きたら困るので、念のために鍵を開け、ちゃんと鍵がかかっているかどうか数回確かめた。
それでもなんだか心許なくて、いつもよりハイスピードで着替えを済ませてバスルームを出る。
化粧を済ませて、出勤前に飲むコーヒーを作るために、コーヒーメーカーのスイッチを入れる。
そこから、コーヒーのいい香りがキッチンに漂い始める頃になっても、仲林くんが起きる気配がなかった。