居候同期とフクザツな恋事情
続いてつかんだワイシャツもなるべくシワを伸ばしてハンガーにかけながら、深いため息が漏れた。
どうして私は、こんな夜中に彼氏でもない男の洗濯物干してんの……
私、仲林くんのお母さんじゃないんですけど。
そう思いながらも、ちゃんと丁寧に干してあげちゃってる自分が嫌だ。
もう一度深いため息を溢して、よく確認もせずにカゴの中の洗濯物をつかむ。
それまでの衣類より面積小さめな感じがしたそれをパッと顔の前で広げた私は、夜中のベランダで大きな悲鳴をあげそうになった。
私の視界を黒く遮ったそれが、男物のパンツだったから。
思わず手から落としそうになったけど、なんとか耐えて視線を外す。
そ、そりゃ、下着だって混ざってますよね。
でも、家族の…例えばお父さんとか兄弟とか。もしくは同棲してる彼氏の、とかだったらともかく。
居候2日目の、あんまりよく知らない同期のパンツつかんじゃった私の動揺…ハンパない。